【Cell ラボ】が誕生しました!

前回の記事で、
少しご紹介していたのですが、
なんだかんだと探究し続け、
【Cell ラボ】という構想が生まれました。

【Cell ラボ】は、
「自分の言葉で考える」という『自由』を
堪能したい人がつながるラボを目指しています。

このブログで綴ってきた、
「細胞教室」が孕むエネルギーと
できるだけ丁寧に向き合ってみたところ、
このプロジェクトのもっと深いところにある
“ 願い ”とつながることができました。

そのプロセスは、
予感していた通りに
この屋久島旅からもうすでに始まっていました。

3月に屋久島へ、
5月には瀬戸内海にある「直島」という島に旅立つことになります。

その流れのなかで、
このプロジェクトが「細胞教室」のままでは
昇華しきれないものがあることに気づかせてもらいました。

もう自分のなかでは言語化できているし
ここに綴ることはもういいかぁ、
と思っていたのですが、プロセスを残すことが大事!

ということで、猛ダッシュで頑張ろうと思います!笑

「胡散臭い」ってなんだ?


屋久島旅レポートの続きです。

屋久島に上陸し、
あちらこちら散策していると、
“ いい土地だな~ ”
と思う場所がちょこちょこ見受けられました。

そしてそれらの土地の多くが売りにだされています。

“ こんなにいい土地なのに、
なかなか買い手が見つからないものなんだなぁ ”

そんなことを思いながら、
屋久島の現地の方とお話していると
やはり土地がらみの話題に多く出会います。

何十か国と渡り歩いたような方が
永住する場所として屋久島を選んだ、
という話を滞在一週間で3回は耳にしました。

尾之間温泉
という最高に熱々の源泉を堪能できる、
地元民に愛される温泉があるのですが、
そこへ向かう道すがら出会ったお爺さんも、
若い頃は世界中を旅されていたそうです。

あらゆる土地の魅力も豊かさも知ったうえで、
最後に生きる地として屋久島を選ばれたとのこと。

「屋久島には素晴らしい土地が
まだまだある。もったいないよ。
もし土地を買うなら屋久島は絶対候補にいれてね。」

と教えてくれました。

今のところ、
土地を買うような予定も資金もありませんが…^^;
なんとなく気になりつつ、
夕食を食べにお店に向かいました。

私は、
“ しゃぶしゃぶ ” がとても好きで、
その土地の名物だろうがなかろうが
必ずどこかへ行くときはお店を探します。

屋久島でも、
もちろん、しゃぶしゃぶ屋さんをチェックです。

そして見つけたお店は、
飲食店ではなく中長期のワーケーション向けの宿でした。

もともとは宿事業がメインだったのに、
“しゃぶしゃぶ” の評判が一人歩きして、
まるでしゃぶしゃぶ屋さんのようになってしまったとのこと。笑

それでも、
宿泊でなく、食事だけで一人で訪問する人は
多くないようで、驚きとともに歓迎してくださいました。

本当にこのお店にも行ってよかった。。



ご主人が、
こだわりにこだわって仕上げた
“ お出汁 ”が最高なんです。

ポン酢などはつけず、
つけだれとしても“ お出汁 ” でいただきます。

なによりも、
「屋久島産六白黒豚」という
ご主人の会社が育てている豚さんが
いくらでも食べられてしまうほど美味で…。

傍らでお料理に精をだすお兄さんは、
生まれも屋久島で
心から料理をすることが大好きだそう。

もうその在りようを拝見しているだけでも
お腹いっぱいになりそうでした。

いろんな美味しさに悶絶しながら、
ご主人とのお話にも花が咲きます。

このご主人がいわゆる「やり手」
とされるであろうオーナーさんなのですが、

お話を聴けば聴くほど、
「そうなる」のは当然だろうなぁと思ったのです。

ご主人の会社の事業を
テキストだけで観ていると、
「ゴミ収集業」
「堆肥肥料製造・販売業」
「旧焼却場整備」
「六白黒豚養豚業」
「民宿・飲食事業」
という、多角経営的な様相がみえてきます。

しかし実際のこの会社の事業形態は
「多角経営」というより
「循環型事業」という表現がしっくりくるし、ご主人もそのように仰います。

しかし、
外側からみると十把一絡げに
“ なんかいろいろやってる ”
“ なんにでも手をだす ”
と映ってしまうのも確かなようで
「胡散臭いやつと思われてますよ(笑)」
と自嘲ぎみなご様子でした。

たとえば、
宝飾事業がメインの企業が、
飲食業を始めることもあるし、
影響力をもった経営者の方が、
そのタレント性を利用してエステ事業を始めることもある。

事業体として考えたら、
メインの事業が損害を受けた時の
リスク分散になるし、
新規マーケットへの参入にもつながるし、
全然おかしいことではないですよね。

本当に大切なものを守るときの
賢明な一手ともいえます。

『とにかく売れることが正義』
という価値観のもとでは、
“ 売るものはなんでもいい ” が正解だと思います。

でも私は、
こうした事例をみると
「なんでもいいんかい!」
とついつい思ってしまう性分です。笑

そんな私ですが、
ご主人のお話をいくら聴いていても
そんな感じがしませんでした。

とにかくこのご主人は
“ 目の前に差し出されること ”
に全力で取り組まれています。

それを真摯に、
“ 自分がやるべきこと ”
として受け容れて、
持ち前の職人魂でその流れのなかに没入していく。

ひとつひとつのことに、
そうしたスタンスで臨んでいたら
気づいたら「多角経営」とも見える
「循環型事業」が展開していたようです。

そこに、
“ 努力 ” への固執があるかというと
そんな感じもない。

“ ねばならない ” に翻弄されている感じもありません。

とっても “ 淡々と” されているのです。

このブログではおなじみの、
このイメージ↓のように、
目の前にもたらされるいろいろに
丁寧に向き合っていたら、
気づいたら結果に辿りついていた。


いち早い結果や答えを
求めすぎたときの流れとは、
やっぱりなにかちがうようです。

こんな風に、
求めすぎることで
足元がお留守になって
せっかくもたらされているいろいろに気づけなくなってしまう。


『細胞教室』が自ら育つちからを信じたい。

そのために、
今は『細胞教室』の声を聴こう。

その声が聴こえてくるのを待とう。

そう決めた途端、
飛び込むことになった屋久島で、
ご主人のそんな在りようをみせてもらえたことは
これまた偶然ではないように思えました。

**********

アウトドア大好きなご主人が、
次に取り掛かりたい事業は
「アウトドア事業」だそうです。

お客さんが身体ひとつで来ても、
キャンプとバーべキューを楽しめるような。

屋久島のこのロケーションで、
このお肉を堪能できる上に、
キャンプ泊りもできる…

「最高」以外の言葉がみつかりません。。

もうすでに「土地」は抑えていて、
あと一角、絶賛交渉中の土地があるそうです。

口説けるのもきっと時間の問題かもしれません。

本当は、
屋久島の自然のなかで遊んで、
ソロキャンプでもしながらぼんやりしたいのに、
忙しくてその時間もないそうです。笑

「また夢が叶ってしまったら、
ソロキャンプはさらにお預けですねぇ。」

そんな笑い話をしながら、
なんだかんだ楽しそうなご主人と、
一生懸命に美味しい料理を作るお兄さんに、
また必ず来ることをお約束して、
この日は宿に帰りました。

“まっすぐに” 自生する樹々


私がなぜ、
このタイミングで屋久島に
旅立つことになったのか。

その理由にまざまざと気づかされたのは、
島中にそそり立つ樹々を目にしたときでした。

屋久島といえば「縄文杉」。
片道10時間のトレッキングの果てにある最高樹齢の
縄文杉は、齢7,200歳とも云われています。

しかし、
そんな時間をかけて登山をしなくても、
屋久島では島の至るところで
「自生する」樹々と出会うことができます。

この写真は、
島を外周しているバスから撮影したもので
少々お粗末なのですが、
見渡す限りの木々が “まっすぐに” 自生しています。

『自生する』とは…
自然に生ずること。
特に、生物がある地域に人間の保護を受けないで
自力で増殖し生育していること。

精選版 日本国語大辞典

屋久島は、
マグマが地下深くで
ゆっくり冷えて固まった岩石である
「花崗岩」によって形成された島です。

島の約9割が森林に占められるのですが、
つまりその樹々たちは、
非常に硬質な岩のうえに自生しているのです。

少し標高の高いところへいくと、
固い岩を突き破るような「根」、
岩にUFOキャッチャーのごとくしがみつく「根」、
とにかくその圧倒されてしまうほどの
「根っこ」の力強さを間近にみることができます。

本来なら
大地に根づく「根っこ」は
地中に埋もれて見ることができませんが、
屋久島だからこそ、
岩をも突き破る「根っこ」と出会うことができます。

なぜ屋久島では、
樹齢1,000年以上の樹々が
幹太く真っすぐに自生できるのか。

それは、
「根っこ」が力強くそこに根づいているからでした。


プロジェクトが自生するちから
の記事で探究してきた、
“ タテを貫く ”ことの力強さを、
屋久島の樹々たちが教えてくれたような気がしました。

ついつい、
“ ヨコに広げる ”ことをしたくなるし、
「早い」ほうがいい、
「目に見える」形にしたほうがいい、
そんな価値観も頭をよぎります。

でもやっぱり、
プロジェクトが自ら育つちからを信じたい。

そのために、
今はプロジェクトの声を聴こう。

その声が聴こえてくるのを待とう。

そう決めた途端、
飛び込むことになった屋久島で、
その地に「自生する」樹々たちに、
その力強さをその在りようで教えられたのは
やはり偶然ではありません。

表からは見えない、
地中の「根」がもつ力を信じなさい、
その力をしっかり培いなさい、
と言われているような気がしました。

史上最高のうたた寝

これは、何日目かに宿泊した
屋久島 四季の宿」という宿の食堂から撮影した写真です。

すごい勢いで手配した宿のひとつだったので
気づいていなかったのですが、
屋久島にある127の宿でクチコミ№1を連続受賞されていました。

そりゃそうだ!と合点のいくロケーションと
お部屋の充実度、オーナーさんのお人柄。

もしも、
屋久島でのワーケーションの機会があれば
いち押しのお宿です^^

さて、
この居心地抜群のお宿に宿泊した翌日、
予定では朝から訪れようと思っていた場所がありました。

ところが…
朝食を頂いて、部屋にもどって一息つくと、
あまりの居心地のよさにがっつり6時間のうたた寝…
気づけば15時だったのです。。

目的地に向かうバスはもうこの日は便がありません。

今日は、そこに行くのは諦めよう…

我ながら「やっちまった感」はあったものの、
このうたた寝が最高に気持ちよかったのでオールOKでした。笑

食堂から部屋にもどっても、
ふと見上げるとこの山を眺めることができました。

冒頭の写真に写っていたこの山は、
「モッチョム岳」という標高940mほどの山岳です。

「モッチョム」とは、
地元の言葉で“ 女性のお股 ”を意味し、
山の東側からみると女性器に見えるからというのが由来だそうです。

しかし、
山の西側からみると、その見え方は一転
“ 男性のお股 ”に見えることから『日本一の陰陽山』とも称されます。

そのことを知ったのは
少しあとのことでしたが、
それを聞いたとき深い納得感がありました。

部屋のベットに寝転がりながら
この「モッチョム岳」を眺めていたら、
その空気感がとても心地よく
すーっと吸い込まれるように寝てしまいました。

すごい言い訳です。笑

でも本当に、
剝き出しになった岩肌には
勇ましいワイルド感がありながら、
山岳全体には
しっとりとした優しい空気が満ち、

『日本一の陰陽山』と称されるその姿には、
「男性性」と「女性性」が心地よくバランスして存在していたのです。

「陽」と「陰」の共存


『細胞教室』でも、
「男性性」を“ 思考 ”のメタファーとして
「女性性」を“ 身体感覚 ”のメタファーとして扱っています。

「女性性」の時代といわれて久しく、
身体感覚を含め、
感性や感覚を開いていくことの大切さが
説かれるようになりました。

私自身、
「ソマティック(身体性)」について発信するくらいに、
そのことの大切さについては感じています。

でも、
「女性性」を開くだけではなく、
そのさきでは健全な「男性性」が発揮されていくことを望んでいます。

“ 思考 ”や“ 考えること ”は、
決して悪いことでも、邪険にされるようなものでもないと思っています。

ただ、
この今の世界には、
健全な「思考」の妨げとなる
余計な情報や刷り込みが蔓延しているので、
まずはそのことに自覚的になる
こと。

そのためには、
身体感覚を含む、
感性や感覚を開いていくことが不可欠
なのだと考えています。

この重要な探究のヒントは、
間違いなく「モッチョム岳」を眺めながらの
「うたた寝」からもたらされたものでした。