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「直感」と「直観」
突然の屋久島への旅は
あっという間の一週間でありながら、
このプロジェクトに必要な「栄養」を
たくさん持ち帰ることができました。
そのひとつと言っていいのか、
帰りのフェリーの中でふと思い立った
“ 帰ったらバイトしよ! ”
という直感に忠実に従うことにしました。
私は今、
【Cell ラボ】を子育て中です。
信頼をもとに
手をだすことは極力控えて、
この子が健やかに育てるだけの栄養と
この子が人生を楽しめるだけの教養を
しっかりと見極めて与えてあげたい。
そんなことを本気で(笑)
思いながら日々過ごしています。
この屋久島の旅で持ち帰った、
大切な栄養のひとつが
「アルバイト」という直感でした。
***************
この直感、
いわゆる「inspiration」は
【Cell ラボ】でも大切にしたいと思っています。
私自身も
身体感覚を開くからこそもたらされる、
その「直感(inspiration)」を
できるだけ素直に受け取って行動するようにしています。
しかし、
それをやりっぱなしにするのではなく
行動してその後を丁寧に観ていくと、
ちゃんとその直感(inspiration)がもたらされたわけがみえてくるのです。
これが直観。
いわゆる「intuition」にあたると考えています。
(※特にスピリチュアルの領域では、
この「直感」と「直観」が混同して
表現されているようですが、
東洋の哲学を探っていくと、
ここには明確なちがいがあるようです。
その定義づけは文脈によって異なるので、
ここでは、瞬発的なものとしての
「直感(inspiration)」と
熟成的なものとしての
「直観(intuition)」として扱っています。)
これは他の誰でもない
自分にだけ通う因果律のようなもので、
日頃「考えていること」が見事に統合され
的確な形で直感(inspiration)としてもたらされていたことがわかります。
それがのちに熟成し、
直観(intuition)として立ち顕れます。
まだまだ探究の道中ですが、
ある程度の確信はあって、
「自分の言葉で考える」人たちの在りようを観察して射た、共通している傾向だと思います。
それは、
頭がいいとかそうでもないとか、
仕事ができる・できないとか、
スキルがある・ないとか、
全然関係なく、
「真摯に人生と向き合っているかどうか」
ただそれだけです。
ただ単に
「人生がうまくいく」だけでいいのなら、
瞬発的な「直感(inspiration)」を受け取り
それを行動にするのを繰り返せばいいのかもしれません。
でも自分の「道」のようなものを
進んでいくことをこの人生で望むなら、
この「直観(intuition)」に至るまでの
「考える」プロセスはとても重要のように思います。
***************
私は個人で仕事をしているので、
屋久島から戻ってからも
引き続き個別に受けていた仕事がありました。
旅に出る前から
少し心に引っかかっていたことは、
それらの仕事は個人で受けているからこそ
「コミットメント」を求められるものばかりでした。
個人として私を選んでくださっている限り、
それに応える形で深く関わるべきだというのは当然で、腰を据えて向き合おうと思っていました。
ところが…
もう全然エネルギーが湧かないのです。。
条件だけ考えたら、
時間や場所の自由、
収入面でもそれらの仕事を断る理由はありませんでした。
【Cell ラボ】の将来を考えても、
そちらに従事していたほうが
「栄養」になりそうなほどでした。
けれど、
屋久島帰りのフェリーに乗った私には、
それらを凌駕して「バイト」一択だったのです。
いやいや、
人生でバイトしたことないやん!
メリットもデメリットも知らんやん!
もう一人の私がつっこむとすれば、
単純にそんな状況です。(笑)
けれど、
母としての私は不思議なくらいの確信を得ていました。
今、
【Cell ラボ】のことを想うなら、
これらの仕事を手放してバイトだ。
もう一人の私のつっこみは
少しずつ遠ざかり、
いよいよ聞こえることもなくなりました。
自身の内側から湧いてきた
「直感(inspiration)」に
素直にしたがって動き始めます。
動きながら、
自分の思考を注意深く眺めます。
一見すると、
【Cell ラボ】にとっても
個人での仕事を続けたほうが人脈やスキル
のことを考えても「栄養」になりそう。
けれども、
その「栄養」はとても過保護で
わざとらしい感じがする。
じゃぁこの「バイト」が
【Cell ラボ】に与えてくれる「栄養」ってなに?
そんな問いを大切にしながら、
ちょっとワクワクしてバイト探しです♡
人生初のアルバイト
なんだかんだと、
今までいろんな業種・職種を
現場で経験してきましたが、
そういえば飲食業での経験がありませんでした。
あ~「運動」を目的にせず
身体を動かせるのっていいな♪
時間と場所が自由になっていくほど、
PC作業が増えて身体は不自由になっていたことにも気づきます(笑)
ちなみに朝早くでて、
お昼にはあがれたら最高なんだけど…♡
ちょっと想像しただけでいい感じがしました^^
バイトなんて考えていなかった1年ほど前、
妙にその「シンプルさ」に惹かれるカフェがありました。
メニューがめちゃくちゃシンプルで、
お店もなんだか「シンプル」なのです。
特別に居心地がいいとか
そんなことは全然なく、
(ないんかい。笑)
それをふと思い出し、調べてみると、
なんと徒歩圏内にも店舗あり!
そして早朝シフトを募集中!
6:30~12:00なんて理想的なシフトです。
そこからトントン拍子に話は進み、
この記事を書いている6月には
研修も終え、独り立ちしています^^
「独り立ち」というのは、
このカフェは基本的にワンオペでシフトを回します。
もともとは京都発祥の喫茶店で、
業態を変えてチェーン店としてカフェ展開し、
現在は関西中心に120以上の店舗があります。
人手不足が深刻な飲食業で、
『そもそも一日中ワンオペ体制でやってます』
というのはとても興味深く、
それが当初の「シンプル」な印象につながっていたことに気づきました。
柱となる珈琲だけは
ちょっとだけ手間がかかりますが、
本当に凝った商品はなく、
ある程度バリエーションのある
ほぼすべてのメニューが
シンプルなオペレーションで提供されます。
また、
一日中モーニングメニューを販売しており
一日中モーニングメニューが売れます。
ブレンド1杯が270円、
モーニングメニューが410円~
なのでとってもお手頃。
ワンオペなので、
時給も相場の1.5倍くらいになります。
お客様には安く提供し、
従業員には高く支払う。
終日ワンオペにすることで
これが実現していることが
当然のことながらとても面白いです。
ワンオペにして、
時給をあげるという取り組みは
多くの企業でなされていますが、
ワンオペ前提でそのオペレーションが
シンプル化されていることで好均衡が保たれている印象です。
初めての飲食業で、
「え?こんなにバンバン水流すの?
こんなにキッチンペーパー使っちゃうの?」
なんていちいち驚いたり、
「ちょっと柴田さん!
こんなところに置かないで~」
「洗い物ためないよ!」
とベテランさんにお叱りを受けたり、
自炊はするけどサンドイッチなんて
わざわざ作らない…ということで
練習がてらの一週間サンドイッチ生活が続いたり、
「ひゃ~すみませ~ん( ノД`)」
「しまった!」という具合に、
元来のポンコツぶりを発揮して
てんやわんやしながらも(笑)
ようやく早朝からお昼までのワンオペを
こなせるようになってきました^^
不慣れでバタバタしいの私に、
ベテランお母さんは
「いろいろ言ってごめんなぁ、
でも慣れてきたら勝手に身体が動くようになるから」
と熱心に教えてくださり、
別のベテランさんは
「ミスのひとつ、ふたつ、大丈夫よ!
ポジポジでね、ははは」
と明るく励ましてくださったり、
お客様とのちょっとしたやり取りに、
ちょっと心が温かくなったり
ほっとしたり…
気づけば、
「まだ数ヶ月とは思えないね~」
とマネージャーさんに驚かれるくらいに
ちょっとずつ成長しています。
ワンオペだからできること
そんなふうに、
人生初のアルバイトに精をだしつつ
冒頭の「問い」とも向き合います。
そのオペレーションのシンプルさから、
ひとつひとつの作業はとても簡単で
それほど時間はかかりません。
むしろ
「たった3分でこれだけのことができるのか!」
と時間の概念が変わってしまうような驚きもあります。
けれど、
一人ですべてをこなすので、
お客様の対応、接客、
商品の提供、洗い物、
当日・翌日の仕込み、発注
フロアの定期的なチェック…
すべてを自分でしなければいけません。
予期せぬピーク時には、
“ ひゃー無理~!死ぬ~!”
と心の声が漏れそうになることもあります(笑)
“ あれやって、
これやって… ”
といくら段取りを組んでいても
お客様のタイミングは容赦ありません。
普段の生活のなかでは、
過去のことを考え続けたり
未来のことを不安に思うよりも、
「今、ここ」が大切と思っているのに、
シフト中はそれが吹き飛んでしまいます。
けれど、
“ いくら段取りしたところで
思い通りにはいかない ”
を身を以て体感すると、
だからこそ「今、ここ」にいよう、
と思えるようになってきます。
思い切って、
さきのことを考えず
目の前のことにぐっと集中する。
お客様の声が聴こえたら、
すぐに反応する。
下手に、
あれしてこれして、
と段取りしていると
お客様の声への反応が遅れます。
そんな自分に気づきます。
目の前の「それ」に
全集中していると
本当に瞑想しているような感覚になってきます。
これを「無」と呼ぶのかは
わかりませんが、
ただ「それ」をするという感覚は
限りなく「無」に近いです。
まだそれほど回数はありませんが、
何度か “フロー状態 ”のようなものを体験しました。
“フロー状態 ”とは、
その定義づけがこれまた曖昧ですが、
アスリートの方など運動選手がよく口にする言葉です。
私がシフト中に感じる
“ フロー状態 ”には、
「身体」が「その場(環境)」と一体に
なったような感覚があります。
なので、
私の「身体」がすることなすことに、
その「環境」が協力的なのです。
もしかしたら、
その「環境」に、
私の「身体」が協力的なのかもしれません。
ベテランお母さんの
「慣れてきたら身体が勝手に動く」
という言葉は、よく耳にすることですが
とても探究のしがいがあります。
最初「思考」でしていたことが、
いつしか身体知化されて「行為」になるという、
「思考」と「行為」のグラデーションを、
今たくさん経験しています。
この探究は、
のちにある数学者の本を読んでみようと思ったきっかけになっていきます。
「労働」=「楽しくない」?
そんなわけで、
最近は朝5時には起きて
6:30~12:00のカフェバイトに精をだしています。
いろんな失敗をしたりしながら
少しずつできることも増えて、
不思議と次のバイトがとても楽しみです。
「洗い物ダンジョン」
「ゆで卵ダンジョン」
「アイスコーヒーダンジョン」
などなど、
毎日ちがうダンジョンにドラクエのごとく
トライしています。
お昼には仕事が終わるので、
こうして探究を遡って言語化したり
気になる人の本を読んだり
直接会いに行く時間としてcreativeに過ごしています♡
午前中にぐっと身体を動かしているので、
身体のエネルギーが巡るのか
こうしたPC作業も短期集中しやすい気がします。
気が向けば海辺に行ったり、
山に向かうこともあります^^
さて、
この記事の冒頭で、
【Cell ラボ】にバイトが与えてくれる「栄養」とは?
という問いを立てていました。
週に3、4日の頻度で出勤していますが
「労働」をしている感覚で過ごす日は一日もありません。
「こんなに楽しそうにバイトする人、
初めて見たわ~爆笑」
と友人は呆れていますが(笑)
そもそも
「労働」=「楽しくない」
という方程式は当然のように
受け入れられていますよね。
これってなんでなんだろう?
という疑問が、
問いへの「応え」をもたらしてくれました。
to be continue…