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ソマティック(身体性)と《男性性》
前回の記事に引き続き、
“ソマティック(身体性)×組織づくり”
について探究してみたいと思います。
ここ1-2年の社会情勢の変化のなかで
組織やリーダーが変わるだけではなく、
個人レベルで変わっていかなければ…
と感じる人が増えてきました。
そして、
私もその一人でした。
このコロナ禍のなかで、
“あれ?なんか変だけど、
なにが変なのかははっきりしない…。
でもそれを追究することよりも、
私にできることをしていくほうが先決かも・・・!!”
そんな感覚に背中を押され、
まずは私個人から動いていこうという
流れにシフトしていきました。
そんな活動をしていると、
やはり同じ感覚をもつ方とのご縁が
増えます。
【自分とつながること】や
【《個》として確立すること】には
ソマティック(身体性)の視点って大事だよね。
そんな感覚をもつ人たちと
同じ潮目で出会っているように感じます。
俯瞰的に眺めたときと同じ変化が、
やはり個人レベルでの変化でも起こっていることを再認識させられます。
——–
さて、
ここからが前回の記事の続きとなります^^
【身体感覚】とはつまり、
“感情”や“感覚”を感じることから
はじまるもので、
とても《女性性》のエッセンスが
色濃いものです。
ソマティック(身体性)な考えを
大切にしようとするコニュニティに
属する人であっても、
男性にとっては【身体感覚】への
アクセスというものは抵抗がある、
ということがあるんですね。
《男性性》が強い人にとっては、
“感じる”ということは弱さであり、
敗北を意味しているからです。
勝つことにこだわる人ほど、
この“感じること”への抵抗は
大きくなります。
こちらの記事でも
書いていたように、
【身体感覚】が伝えてくれるものは、
本質的な自分(魂)の本音でもあります。
だからこそ、
“勝つことや強いこと”に重きが置かれた
《男性性》の社会で戦い抜いてきた男性のなかで、無意識のうちに【恐れ】が顔をだしてしまいます。
本質的な自分(魂)の本音に気づくことで、
これまでに築き上げてきたいろんなものが
崩れ去ってしまうかもしれない、
そんな奥深くに潜んだ【恐れ】が、
“感じること”への抵抗を生みだしてしまうということがあるんですね。
なのに、
そんな社会を牽引してきた人ほど、
この変化の波に気づいてしまうというジレンマ!
とても歯がゆさを痛感させられる
今日この頃です。
そうですよね。
これまでの社会の在り方は、
『身体は酷使してなんぼ』でした。
パフォーマンスの向上のために
“マインドフルネス”を取り入れて、
『身体』を利用することには抵抗がない。
でも、
本質的な自分(魂)にふれるために
“マインドフルネス”を取り入れて、
『身体』を労わるということにはどうしても
抵抗がでてきてしまいます。
いくらマインドフルネスが流行っても
“無機質な物体”として、
『身体』をあつかうことには、
あまり変わりがありませんでした。
上場企業ほどトライアスロンを企画して、
身体を酷使する傾向にあったり、
『〇時間しか寝てない』が自慢になる
風潮があったり‥。
でも、
そんなトップダウンな『身体』の扱い方に
疑問符がつくようになってきました。

『身体』を酷使して利用するのはいいけど
もうエネルギーが枯渇していませんか?
“感情”や“感覚”を認める
=“痛みや傷”を掘り起こす
というイメージではなく、
=優しく耳を傾けてみる
というイメージ。
こうした
“しなやかな”在り方が、
本当の“強さ”なのでは?
いよいよ、
酷使によるものでなく、
内側から湧き出てくる
本質的なパフォーマンスを
発揮するフェーズを迎えているのでは?
こうした時代からの問いかけがはじまっています。
そして今がきっと過渡期です。
そのことについて、
次の記事では
私たちの進化と《女性性》について
探究していきたいと思います。
“感じること”に慣れていく
そんなわけで、
私たちが着実に進化していこうと思うとき
“自分自身を受け容れる”ということが
必要不可欠な時代に突入しました。
これまでは、
「成果!実績!」と、
《男性性》だけでやってこれたものが、
“組織づくり”においても、
《女性性》の【感情】や【感覚】
というものが大切になっていきそうです。
でも、
前述していたように
《男性性》優位な社会で
戦い続けたきた男性にとって、
それはとても億劫なものですよね。
私も、
身体としては女性ですが、
《男性性》の【責任感】の
エッセンスがかなり強化されていたので、
“感じてみよう”としたとき、
どこかで今の生き方のままではいかなくなる
という保身の気持ちが強くなって、
なかなか素直になれませんでした。。
女性の身体をもつ私でも、
そんな経験があるので
男性の身体をもち、
《男性性》が強化された方の葛藤は
とても大きなものなのだろうな…と想像しうるものがあります。
——–
なんて共感だけで終わりません(笑)
そんなときにおすすめの
方法があります^^
それは、
“タッチ”というアプローチです。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚
などの五感を伝えてくれるものを
<外受容感覚>、
空腹・吐き気・渇きや尿意などの
気分に影響をあたえる内臓感覚や
感情・感覚を伝えてくれるものを
<内受容感覚>と呼びます。
《男性性》の強い人が感じることに
抵抗が大きいのが<内受容感覚>です。
つまり、内側の感覚ですね。
なのでいきなり
<内受容感覚>にフォーカスするよりも、
その一歩手前にある
“肌へのタッチ”からはじめてみよう、
という発想です。
『皮膚感覚』というのは、
外受容体と内受容体の間にあるので、
とても特殊なものなんですね。
いきなり、
内受容体の内臓感覚や感情・感覚を
感じようとすると抵抗が生まれてしまいます。
そこで
『皮膚感覚』からアプローチしていくことが
とても有効です^^
自分で肌に触れてみるだけでも
『自己受容』という意味でかなり効果的。
そこに“ありがとう”と“ごくろうさま”
という意識があれば自己肯定感も
勝手にあがります^^
それに抵抗があれば、触れてもらうのでもOK。
マッサージを利用してみる、
というのもいいですね。
パートナーやお子さん、ペットなど
他者とのスキンシップや触れあいを
積極的にしてみるだけでも、
“感じること”への抵抗が薄らいで
慣れていくことができます。
男性に限らず、
多くの人がもつ
“自分が楽になることを
許せない”という心理が
少しでもほぐされていきますように。
まずはそこからですよね^^
うーん、
こうして探究してみても、
やっぱり私たちの進化の本質には
“つながり”というエッセンスが
間違いなく存在していると思えてなりません。
(“心地よさ”に長くとどまるための
【リソース】の育て方についても記事に
しました。こちらもぜひ^^)
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Q.「ソマティック(身体性)」とは?
●【概念編】
⇒思考(左脳)と身体感覚(右脳)のちがい①~⑤・<最終章>
※<最終章>までの連続シリーズです。
●【本質編】
⇒ソマティック(身体性)な探究~本質編~
●このブログでは、
【パーツ心理学】にもとづいて、
身体の細胞や感情に対して
“擬人的”な表現を多く用いています。
自分と向き合ったり、
感情と距離をおくことを優しく
手伝ってくれる神経生物学的な考え方です^^