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“本当の自分”探しは迷宮入りのはじまり
このブログでは、
できるだけ“本当の自分”という
表現をしないように心がけています。
そんな、
真か偽かの二者択一のような
短絡的なことではないように
思えますし、どんな状態でも
“本当の自分”じゃないわけないですよね。
“本当の自分”探しをはじめると
迷宮入りしてしまいます。
そこでこのブログでは、
“本当の自分”という表現の代わりに
“本質的な自分”という表現をしています。
パッパッと、
今日からは本当の自分です!
なんて着替えるように変わるものではなく、
にじみでてくるようなものだと考えています。
“自分らしく生きる”とは、
髪を奇抜な色に染めたり、
「うぇーい!人の目なんか
気にしないZE☆彡」
と振りきれることでもなく(笑)
↑この状態がよくない、
ということではなくて、
“自分らしさ”を求めたときに、
個性的でなければならない、
という囚われに巻き込まれて
疲れてしまう人もいるようです。
個性的になる必要なんて
きっとありません。
ただ自分を知っていくことの
積み重ねだと考えるとわかりやすいかもしれません^^
気づいていなかった自分に気づき、
それを受け容れ、
それを受け容れた自分なら
なにを望んでいくのか?
と向き合いながら、
軌道修正をしていく。
そして、
身体が楽になっているか、
がひとつの指標になります。
そのうち、
自分に秘密にしている自己の
存在が減っていきます。
そして、
気づけば
“自分に正直に生きる”
ということがやりやすくなっていき、
“自分らしく生きる”
ということが体現されていきます。
そしてこのブログでは、
自分の身体を擬人化して
捉えているような表現が
多いことにもお気づきでしょうか^^
その理由はふたつあります。
ひとつめは、
こちらの記事でも触れていた、
私が自分と向き合ってみようと
思うきっかけとなった
漢方を処方してくれるお医者さんの言葉。
「僕があなたの身体の細胞だったら
嫌になる。すぐに我慢するし、
褒められても受け取らないし、
もうこの人のために頑張っても
甲斐がないから働くのやめようと思うよ。」
これは、
もらった言葉そのままの表現です。
まるで
細胞ひとつひとつに意志があり、
一人の人間のように
機嫌も損ねてしまうんだよ、
と言わんばかりのこの表現は、
私にとって衝撃で、
この言葉にそのまま応えるような形で
自分と向き合うことをはじめました。
まさか先生も、
私が言葉をそのまま真に受けて、
身体の細胞ひとつひとつを
意識して過ごしていくなんて
予想だにしていなかったでしょうが、
気づけばそうして過ごすことが
【自己信頼力】
(自分とのパ―トナーシップ)
を高めることにつながっていました。
このことは、
医療の世界でも変化しつつある
《人体観》にフォーカスしてみると
納得できるところが多くあります。
そしてふたつめの理由は、
「パーツ心理学」という考え方に
基づいて記事を書いているからです。
「パーツ心理学」
という考え方を知っておくと、
“自分と向き合う”ということが
少しやりやすくなるかも知れません。
【パーツ心理学】=私たちのなかにいるいろんな自己(Parts)
「パーツ心理学」とは、
神経生物学を基にした考え方ですが、
「ソマティック心理学」と同じように、
〇〇神経がどうとか、
〇〇分泌物質がどうだなど
難しく考える必要は一切ありません。
【内的家族システム療法】
という心理療法でも採用され、
欧米でも近年注目されています。
自己理解を助けてくれる、
心強いアプローチ法です。
ようするに
“一人の人間のなかには、
いろいろな自己《パーツ》がいるよ”
ということなんです^^
部分(part)で
全体(parts)が成り立っています。
それぞれのパーツさんは、
なんらかの感情と結びついて
存在していることがほとんどです。
なので
私たち自身のパーツさんを
観察することは、
感情を整理することにも
自分を知ることにもつながるんですね。
●自分を責めてしまう、
【責めちゃうパーツさん】
●明るくて誰にでも優しくできる、
【優しいパーツさん】
●人を叱責してしまう、
【怒りんぼパーツさん】
●漠然とした不安を抱える、
【不安パーツさん】
●しっかり自立して努力し続ける、
【頑張り屋パーツさん】
●冷静な判断ができる、
【知的パーツさん】
●淡々と日々を過ごす、
【日常を送るパーツさん】

これらはあくまでも一例ですが、
なんとなくご自身のなかにも、
こんな感じで「いろんな自分がいるな~」
と思い当たる節はないでしょうか?
どんなパーツさんが、
どんな大きなで、
どのあたりにいるのか?
は一人ひとりちがいます。
でもこんなふうに
「どれも自分なんだ」と
俯瞰してパーツさんたちと
向き合ってみると、
少し興味深く、
ちょっと可愛らしさも感じながら
向き合ってみようかな・・
なんて気持ちになりませんか(*^^*)?
これは決して
ふざけているわけでもなんでもなく、
きちんとした構造的解離理論に基づいた、
トラウマ医療でも活用できるような
パワフルなアプローチなんです。
たとえば、
うつ病の人が陥りがちな“反芻”という症状
があります。
感情の渦に飲み込まれたり、
頭のなかでぐるぐると答えのない思考が
走り続けてしまう状態です。
これは、
“感情”たちとの距離が保てず、
溶け込んで同一化してしまっていることが
原因だったりします。
そんな症状が見られるとき、
こんなふうにパーツ的な捉え方をするだけでも冷静さを取り戻すことができるんですね。
こちらの記事で
【インナーチャイルド】
という存在についてお話しましたが、
私個人としては、
【インナーチャイルド】という表現が
あまり好きではありません。
言葉の先入観によって、
まるで人生の邪魔をする存在のような
どうしても犯人さがしのように
なってしまいがちになるからです。
でも、
その【インナーチャイルド】の存在を
“どういう行動をするのか?”
“どんな感情をもっているか?”
という視点でみてみて、
なにか名前をつけてみると
どうでしょう?
なにかに挑戦してみようと思うとき、
邪魔してくるなと思えるような感情は
どんな感情でしょうか?
その感情がもとで
どんな行動をするでしょうか?
「どうせ自分にはできない」
という諦めの感情が生まれてきて、
挑戦することを諦めてしまう、
ということであれば、
そのパーツさんを
【自信のないパーツさん】とか
【諦めちゃうパーツさん】と
名前をつけてみるのはどうでしょう。
これらの感情と少し距離をおいて、
“【自信のないパーツさん】は
どうしてすぐに諦めてしまいたく
なるんだろう…?”
と観察してみることは、
自分と向き合うということを
穏やかに促してくれます^^
(実際にパートナーシップを
テーマにしたセッションで
パーツ心理学を用いたときの記事を公開しました。)
お邪魔虫パーツさんが生まれる理由
【責めちゃうパーツさん】や
【諦めちゃうパーツさん】のような、
一見お邪魔虫のように思えるパーツたちは、
実はこれまで、
生きづらさを一身に背負ってきてくれていた、
という側面があります。
イメージにするとこんな感じです。

過去に負った傷たちを、こんなふうに
抱えて生き抜いてきてくれたんです。
私たちがちゃんと生きていけるように
ずっと守ってくれていたんですね。
私たちが傷を負った瞬間、
それを背負ってくれるパーツさんが生まれます。
存在を否定されたり、
比較されてしまうような環境のなかで
《自分で自分を守れない!》と
思い込んだ私たちを守るために
【責めちゃうパーツさん】が生まれて、
他者に従順でいることで
存在を認めてもらう代わりに
“自分”を生きることを断念する、
という方法をとって生き抜いてきてくれました。
そんな【責めちゃうパーツさん】を
なきものにしようと、
“責めることをやめなきゃ”とか
“人と比べないようにしなきゃ”と
無理やり自分を変えようとすると
【責めちゃうパーツさん】は
“存在を消されてしまう!”と感じて、
余計に存在を主張するように
自分を責めたり、人と比べたりして
その行動を強化していきます。
だからこそ、
その存在をただ認め、
「ありがとう」を伝えて
受け容れていくことが大切です。
生きづらさを抱えてくれていた
パーツさんたちは、
サバイバルリソースといって
【生き抜くためのちから】を
たくさんもっています。
【自己受容】→【自己肯定】
のプロセスのなかで、
自分の気づいていなかった
ポテンシャルが発揮されるように
なっていく、ということの仕組みが
少しわかりやすくなってきたでしょうか^^
パーツさんたち同士に
意見の食い違いがあったり、
向かっている方向が違っていたりすると、
自分のなかに“葛藤”を感じやすい状態が
続いてしまいます。
Body(身体)にも
こわばりとして症状がでてきます。
このように
「パーツさんたち」を介して
自分と向き合っていくと、
次第に自身のなかの“葛藤”も
少なくなっていき、
夢や目標をもったり、
その実現へ向けた行動も
しやすくなっていきます。
パーツさんには、
本当にたくさんの種類がいて、
自分で向き合ってみるうちに
その人のなかにしか存在しないような
パーツさんも見つかったりして
とても面白いです。
そして、
そのパーツさんは
私たちの身体のいろんなところに
存在しているとされています。
たとえば、
【我慢してしまうパーツさん】が
肩のあたりに存在していた場合、
そのパーツさんに気づいて
解放してあげると、肩こりがましになった…
というのはよくある話です。
東洋医学的な【心身一如】の
考え方に近いですね^^
私たちのなかに存在する、
一番小さなパーツさんは
37兆個とも60兆個ともいわれる
細胞のひとつひとつであるといえます。
そこで、
次回は少し趣を変えて
人間の身体の《人体観》について
記事を書いてみたいと
思います^^
※そんなパーツさんたちに味方になって
もらえる方法を体系的にまとめた資料を
お送りしています^^
ブログを通して読んで頂いても
ご理解頂けるようにはなっていますが、
全体像を把握して頂くにはピッタリの
資料なのでぜひ受けとってくださいね^^
★★【プレゼント】のページより、
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Q.「ソマティック(身体性)とは?」
●【概念編】
⇒思考(左脳)と身体感覚(右脳)のちがい①~⑤・<最終章>
※<最終章>までの連続シリーズです。
●【本質編】
⇒ソマティック(身体性)な探究~本質編~
●このブログでは、
【パーツ心理学】にもとづいて、
身体の細胞や感情に対して
“擬人的”な表現を多く用いています。
自分と向き合ったり、
感情と距離をおくことを優しく
手伝ってくれる神経生物学的な考え方です^^