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【リソース】とは
今回は、
これまでにも何度か触れてきた
【リソース】について記事を書いていきますね^^
こちらの記事で少しお伝えしていたように、
大きなトラウマのケアにはもちろん
自己実現の土台にすらなっていくものです。
よくアスリートの方たちが、
「自身のベストな状態(いわゆるゾーン)
にはいるには
“リソースフル”になる必要がある」
と言っているのを耳にします。
ささいなようで
とても大きなパワーをもつのが
この【リソース】です。
【リソース】とは、
自分にとって心地いいものすべてです。
家族や友人、ペットなどとの
“関係性”。(つながり)
お金や車をもっているなどの
“物質面”。(所有)
頭がいい、論理的であるなどの
“知性面”。(インテリジェンス)
力持ちである、足がはやいなどの
“身体性”。(身体能力)
アートや音楽が得意、好きなどの
“創造性・独創性”。(クリエイティビティ)
喜びや嬉しさ、美しいなどの
“感情・感性”。(センシティビティ)
もっと具体的なところでは、
こんなものもあります。
一人でぼんやりすること、
人の熱意にふれること、
大切な人と過ごすこと、
ベランダから眺める夕焼け、
お気に入りの毛布、
空を見上げた時の解放感、
ピアノを弾くときの指の感触、
目標を達成できたときの高揚感、
絶対に大切にしたい自分だけの哲学・・・
あげればキリがないほど、
【リソース】は人それぞれ
であり十人十色です。
その人にとって
“心地いいもの”であれば、
「それは【リソース】ではありません」
と他人がいえるものはありません。
たとえば
次のようなことについて
心のなかで想像してみたとき、
どんなものが浮かんでくるでしょう^^
◎やりがいを感じるもの
◎モチベーションとなるもの
◎落ち着けるもの
◎逆にアガるもの
◎エネルギー源になるもの
◎心の栄養になるもの
そのことを思い浮かべたときに
“いい感じになる”
のを体感し続けてみてください^^
たとえばですが、
こんな感覚があるかもしれません。
✓ 心があったかくなるような感じがする。
✓ 呼吸がゆったりとしてくる。
✓ お腹のあたりがすっきりする。
【リソース】を育てる、とは
こうした“心地よい感覚”に浸ることを
いいます^^
とても些細なことのように思えるのですが、
これが本当にトラウマケアだけでなく
自己実現の土台にもなっていきます。
ものごとには、
“フォーカスし続けると膨張する”
という性質があります。
つまり、
【リソース】にフォーカスし続ければ、
心地よさが膨張していきます。
ソマティック心理学に基づく
カウンセリングで【リソース】が
大切にされるのは、その豊かさを
体感に落とし込んで土台にしていくことが
できるからなんですね。
そしてもうひとつ。
【思考】と【身体感覚】の材料についての
記事でも触れていたように、
【身体感覚】はリソースを材料にして
“今に最適化”してくれます。
つまり、
【リソース】には《心地よさ》という
豊かさの土台づくりの役割だけでなく
《傷を溶かしてくれる》というもうひとつの大きな役割があるんですね^^
“心地よさ”は体感しやすい
どうでしょうか?
実際に【リソース】を感じる、
ということをしてみて
なにか浮かんでくるものはありましたか^^
浮かんでくるものがあったから良い。
浮かんでくるものがないからダメ。
そんなことは一切ありません。
ただ“そんな感じだったな~”だけでOKです。
とにかく、
ソマティック(身体性)な探究は、
どれだけ軽やかに受け取りモードで
いられるかです^^
こちらの記事でも触れていたように
私たちの身体は、
過去に負った傷やトラウマを抱えてくれています。
なので、
“身体の感覚を感じてみよう”
とするとき、
『いやな感じがするもの』には
抵抗が生まれやすいんですね。
一方で【リソース】になるような
『いい感じがするもの』だと
わりと体感しやすかったりするんです^^
《男性性》が強い方は
“感じること”に抵抗が生まれやすいので
そんな方こそ、この【リソース】から
“感じてみること”をはじめてみてくださいね◎
(ソマティックと《男性性》
についてはこちらの記事を^^)
【認知】の前に【気分】がある。
【リソース】について、
なんとなく“いい感じ♪”なもの
なんだな、ということが少し
深めていただけたでしょうか。
それでは次に、
【リソース】をどう生かしていくのか
をお伝えしていきますね^^
こちらの記事で、
身体の状態によって生まれる
『認知』をもとに人生は展開していく、
ということについて触れました。

“身体が変わっていく”ことで、
外側の世界がこんな感じで変わっていくんですね。
呼吸が浅く、身体がこわばっていると
(過去の傷を抱えたままの状態だと)
“うまくいっていない”
という【認知】が生まれます。
呼吸が深く、身体がゆるまっていると
(今に最適化された状態だと)
“成功までのプロセスだ”
という【認知】が生まれます。
——–
実は、
このイメージのなかにある
【認知】という段階の前には
【気分】という段階があります。

【気分】とは
“いい感じ”、“モヤモヤする”などの感覚、
つまりFeelingと表現されるものですね。
もちろん、
“身体の状態”がよくなっていく
(力がぬけている、呼吸が深い)だけで
【認知】も「うまくいっている」方向に
変わっていきます。
それだけでも
“ずいぶん楽”になっていくのですが、
その変化をさらに加速させてくれるのが
【リソース】の感覚です。
【気分】は選ぶことができる|“快”か“不快”か
実は、
【気分】には2種類しかありません。
“気を分ける”
と書いて【気分】なので
当然といえば当然かもしれませんが、
なんとなくたくさん種類があるような
気がしていますよね。

こんな感じで2種類です(笑)
私たち人間は、
【思考】の働きによって
《ネガティブ慣れ》しやすい傾向があります。
“なんか嫌な感じがする”
という感覚を大抵スルーして
日々をやり過ごしがちですよね。
でも私たちが、
“なんか嫌な感じがする”
という不快感をキャッチすることが
できるのは、
“なんかいい感じ♪”という快の感覚を
知っているからなんですね。
“なんか嫌な感じ”
“なんかいい感じ♪”
この2種類の【気分】の
どちらも知っているんです。
“ざらっとしていない感覚”
を知っているから、
“ざらっとした感覚”
をキャッチすることできます。
“快”の状態じゃない=“不快”だ!
という認識を無意識にしているんですね。
そうなんです。
つまり
【気分】を意識的に選ぶこともできる!
ということなんです^^
もう一度イメージをご覧くださいね。

この【気分】の段階で
“なんかいい感じ♪”を選ぶことで、
次の段階の【認知】は圧倒的に変わります。
普段の生活のなかで、
“なんか気になる”
“モヤモヤする”
“嫌な感じ”
などの不快な感覚が湧いてきたら、
【リソース】のところで養った感覚を
“身体で思いだしてみる“
ということをしてみてください。
“モヤッ”、“ざらっ”(不快)
↓
“いい感じ♪”(快にもどす)
↓
“モヤッ”、“ざらっ”(不快)
↓
“いい感じ♪”(快にもどす)
このキャッチアップに慣れていきます。
“身体で思いだしてみる“
という体感を伴った【気分】の選び方は本当に効果的です。
“快”を意識的に選び続けることで
自然と“快”にとどまりやすくなっていきます。
この【気分】の立て直し方に
慣れていくと“自律のスタンス”が
勝手に養われていくんですね^^
【身体感覚】
つまり“潜在意識”のレベルで
【気分】は選べるんだ!
という確信が深まっていきます。
この確信を細胞さんたちと
共有できたら…
とっても“しなやか”だと思いませんか^^

身体がもつ《知性》をぜひ信頼してみてくださいね。
——–
もしかしたら、
この記事を読まれて
“それは感情の抑圧にならないの?”
“なんだか現実逃避な感じがしない?”
という疑問が湧いてくる方もいらっしゃるかもしれません。
結論からいうと
“いい感じ♪”という【気分】を選ぶことは
感情の抑圧や現実逃避にはなりません。
(この理由については
また記事を書いてみたいと思います^^)
なので安心して、
【リソース】となる感覚を育てて
【気分】を選んでいってくださいね。
——–
このブログでは、
【思考】による『期待』や『執着』が
流れに対する“抵抗”になってしまいます、
という表現をよくしています。
この表現も間違いではないのですが
さらに厳密に表現すると、
『期待』や『執着』がブロックになる、
ということが本質なのではなくて、
それを上回る『好奇心』や『探究心』が
リソースとなり変容のきっかけとなる、
という認識をもっていただくとベストです◎
「へー。
ほんじゃちょっとやってみるか。」な
軽いノリでやってみてくださいね。
次の記事では、
《隙あらば探究のススメ》をテーマに
探究オタク全開でお送りしたく思います(笑)
——–
Q.「ソマティック(身体性)とは?」
●【概念編】
⇒思考(左脳)と身体感覚(右脳)のちがい①~⑤・<最終章>
※<最終章>までの連続シリーズです。
●【本質編】
⇒ソマティック(身体性)な探究~本質編~
●このブログでは、
【パーツ心理学】にもとづいて、
身体の細胞や感情に対して
“擬人的”な表現を多く用いています。
自分と向き合ったり、
感情と距離をおくことを優しく
手伝ってくれる神経生物学的な考え方です^^