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Body(身体)・Mind(思考)・Spirit(精神性)のつながり
【-はじめに】のコンテンツ
でも少し触れた「ソマティック心理学」
について、もう少し詳しく記事を書いて
みますね^^
別名で
「身体性心理学」
とも呼ばれています。
学問的に表現すると・・
最新の脳科学・神経生理学を
身体性にフォーカスして
取り入れたアプローチ
ともいえるのですが、
そんなに難しく考える
必要はありません。
ソマティック心理学が
目指しているところを
わかりやすく図にすると
こんな感じです。
Spirit を、
“本質的な自分”
と表現していますが、
ちがう言い方をすると、
“魂”や“精神性”、“本当の自分”
という表現がわかりやすいかもしれません。
だれもが、
まんまるな唯一無二のSpirit
をもっています。
この図のように、
Body(身体)と Mind(思考)が
どれだけ一致しているか
《統合されているか》で、
その唯一無二のSpiritが
どれだけ解放され、
まんまるな状態で生きている
のかは変わっていきます。
もちろん、
Spiritが解放されていればいるほど、
まんまるに近づいていくほど、
幸福度は高く、
身体はゆるまり、
自然体で生きていくことができます。
Spiritが解放され、まんまるでいる、
とは、
つまり
「自分に正直に生きている」
ということです。
そのためにどうすれば
いいのか?
を探究するのが
「ソマティック(身体性)」
といってもいいかも
しれません^^
まずは、
自分はどう感じて、
自分はどうしたいのか、
これをキャッチしていくことが
大切です。
Spiritはたえず
私たちに大切な
サイン(感情・感覚)
を送ってくれています。
そして、
そのサインを受けとってくれているのは、
ほかでもない、Body(身体)です。
わかりやすく
図にするとこんな感じです。

具体的には、
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚
などの五感や、
空腹・吐き気・渇きや尿意などの
気分に影響をあたえる内臓感覚や
皮膚感覚を伝えてくれる
感覚器官や神経伝達物質のことです。
〇〇器官がどうだとか、
〇〇神経がどうだとか、
小難しく考えることはありません。
Body(身体)に意識を向け、
“いい感じ”、“モヤモヤする”などの感覚、
“悲しい”、“嬉しい”、
“腹がたつ”などの感情
をきちんと受け容れるようになるほどに
身体からは力がぬけていきます。
大切なのは、
Body(身体)が伝えてくれる
感情や感覚をしっかり
受けとること。
さらに大切なことは、
感情や感覚をしっかり
受けとれなくても、
そんな自分も
「そうなんだなぁ」
と認めることです^^
べつに
身体から力がぬけなくたって
いいわけです(笑)
なんだったら
自分に正直になれなくたってよくて、
「自分に正直になりたくないんだな~」
で全然OK、ということです。
Spiritは、
自分が送っている
サインを一生懸命
受けとろうと
Body(身体)に意識を
向けてくれることで
もっともっと
たくさんのサインを
送ってくれるように
なります。
そして・・
受けとり上手になっていくと、
トラウマや生きづらさが
解消されるだけでなく、
自己実現のレベルにさえ
なっていきます。
それも、
世間でいわれる
《引き寄せの法則》
のひとつなのかもしれませんね^^
目にみえる領域の限界|ソマティック心理学が注目される理由
ローゼンメソッドという
ソマティックなアプローチ技法を提唱した
アメリカの理学療法士である
マリオン・ローゼン氏はこのように
説いています。
『長期にわたる身体的な緊張が自己実現の
可能性を閉ざし、慢性的な緊張がやわらぐ
ことの結果として自己実現の道が拓かれる』
身体にある長年にわたる
力みや強ばりがやわらぐことで、
自己実現が叶うようになってくる、
という意味です。
お~なんだか
だんだん形而上学的な
ふしぎな話になってきましたね(笑)
ちょっと目に見えない話というか。
でも、
まだまだ海外メインであるものの、
心理療法の潮流が
【ソマティック心理学】
にやってきたのは、
人の心を探究していくのに、
この領域に踏みこまざるを
えなくなってきているから
だと思います。
かつて、
名だたる心理学の大家たちも
実はこのあたりに本質がある、
ということに気づいていました。
それでも、
「まだ時代が追いついていない」
と、その本質をおもてに出すことなく
晩年にそっと論文を残していたり、
諦めることなく、
世にその本質を発表し、
大バッシングを受け
散々な最期を迎えた
著名な心理療法家もいました。
今になって、
それらの研究が
脚光を浴びるようになって
きています。
ソマティック心理学が
扱う分野は心理学に限りません。
脳科学、神経生理学だけでなく、
哲学や文化人類学、動物行動学、
ダンス、仏教、禅、
マインドフルネス、
インテグラル理論、
ジェンダー(男性性・女性性)
スピリチュアリティ・・
一見すると
両極な領域にあるような分野も
包みこむようにあつかって
いきます。
ソマティック心理学の
ワークの対象は、
現在生きている人(=身体をもっている人)
のほとんどです。
でもこれって
よく考えたら自然なこと
なのかもしれません。
人の歓びや苦しみも、
結局は身体が感じている
ものですよね。
不安を感じるとき、
みぞおちがキュッとなったり、
のどや目元に渇きを感じたり、
背中に重みを感じたり。
歓びを感じるとき、
足取りが軽くなったり、
胸のあたりが温かくなったり、
口角があがってしまったり。
生きる歓びも、生きづらさも
感情によって生まれる
身体の反応によってもたらされるものです。
Body(身体)で感情・感覚を受けとるだけでいいの?|Mind(思考)の大切さ
では、
ソマティック的なアプローチをして
感情・感覚だけに敏感であればいいのか?
というとそうではありません。
もう一度、
さきほどの図を見てみて
くださいね。

Spiritが送ってくれるサインを
繊細に受け取るために
体感覚に意識を向ける、
そしてそこから受け取ったものを
Mind(思考)とも統合させていかなくては
いけません。
「統合」というと
ちょっと堅苦しいですね。
Mind(思考)とも仲良くなってみる、
という感じでいいかも
しれません^^
Mind(思考)が、
『外から教えられた信念』でいっぱいに
なっているうちは、
“考えている”つもりでいても、
実は
“悩んでいるだけ”
という状態が続いてしまいます。
自覚のない思考停止状態です。
そこで大切なことは、
“自己対話”をかさねて
いくことです。
誰がどう言っていたか、
一般的にはどうなのか、
そうではなくて
自分はどう思うのか、
自分はどうしていきたいのか、
を繰り返し自分のなかで
話し合っていきます。
それがよくわからんのじゃ!
という状態でも大丈夫です。
Body(身体)に意識を
向けることをしていると、
不思議にも自己対話も
やりやすくなってきます。
自分と話し合うことができる
ようになれば、Mind(思考)は
『自分の信念』でいっぱいに
なっていきます。
そうなることで、
Body(身体)が伝えてくれる
Spirit(本当の自分)からのサイン
をゆがませることなく
受けとって素直に判断する
ことができます。
そしたらこんな感じで、
もともと存在しているSpiritが
大きくゆったりとした
ひとつのまるになって
その人の身体で体現され、
現実にも変化がもたらされるように
なっていきます。

これが
“自分に正直に生きる”
ということかもしれません。
自分に正直に生きている人は
お腹で思っていることと
口からでてくる言葉が一致
しているから、自然体でいられます。
Body(身体)に意識を向け、
Body(身体)の声をきき、
自分の Mind(思考)で考えること
が Spirit(本質的な自分)という
あるがままのありようで生きて
いくためのコツです。
《Spiritをもっている》
というより、
《Spiritである》
と表現したほうがいいのかも
しれません。
だれもが、
まんまるな唯一無二のSpirit
です。
だからそこにはジャッジが
ありません。
〇〇だからいい、
とか
〇〇だからダメだ、
とか
そんなものはありません。
あなた自身が、
Spiritのサインを
どう受けとって、
どう感じるのか、
ただそれだけです。
「ソマティック心理学」の
外側から押しつけたり、
引っ張りだそうとするのではなく、
内側から湧いてくるものを大切にしてみる、
というなんとも穏やかなアプローチは
これからの時代に広く多くの人たち
に受けいれられていくのではないかなぁ
となんとなく感じています。
ある女性がこんな話をしてくださった
ことがあります。
「私はよけいな苦労をたくさんしてきた。
その原因のひとつが、目に見えないことを
ばかにしていたからだと思う。
いろんなことを乗り越えて、
やっと今目に見えない存在について
尊厳というか、畏敬というか、
なにかを感じられるようになった。
目に見えるものだけがすべてだとしてしまうと、
どうしても視野が狭くなってしまって。
たぶん、目に見えないものをばかにしていたときの私は
すごく傲慢だったんだと思う。」
彼女は、
とても苦労の多い人生を送ってこられ、
それでもそれらのハードルをちゃんと
乗り越えて、今はたくさんの成功をおさめています。
女性のこのセリフから、
ソマティックなアプローチが穏やかなのは、
目に見えないことも含めてあつかうことで
傲慢さが軽減されているからである、
ということがいえるのではないかなと
思ったりもしています。
そしてもうひとつ、
ソマティックなアプローチで
大切にされていることは、
『習慣化』です。
Body(身体)とは、自分そのものというか
もっとも身近に存在するものですが、
外側にある一番身近なものは
“日常生活”です。
内的にもっとも身近な
Body(身体)を意識しながら
外的にもっとも身近な
日常生活を過ごしてみると、
少しづつ見える景色が変わってきます。
ソマティックなアプローチのなかには
セラピーやカウンセリングの現場で、
魔法のように変容させてくれる技法も
あることはありますが、
非日常な現場ではなく、
日常生活のなかにこそ
大切な変容のエッセンスはころがっています^^
次の記事では、
“ひとりぼっち時間を過ごすこと”
の大切さについて書いてみたいと
思います。
これからも、
具体的な方法を記事に書いて
いこうと思っているので、
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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Q.「ソマティック(身体性)とは?」
●【概念編】
⇒思考(左脳)と身体感覚(右脳)のちがい①~⑤・<最終章>
※<最終章>までの連続シリーズです。
●【本質編】
⇒ソマティック(身体性)な探究~本質編~
●このブログでは、
【パーツ心理学】にもとづいて、
身体の細胞や感情に対して
“擬人的”な表現を多く用いています。
自分と向き合ったり、
感情と距離をおくことを優しく
手伝ってくれる神経生物学的な考え方です^^